独立人称代名詞

A1 الضَّمائِرُ المُنْفَصِلَة 6 / 70

要点

英語の「you」は一語、「they」も一語です。アラビア語は前者に五つ、後者に三つあります。独立人称代名詞、الضَّمائِرُ المُنْفَصِلَةُ は、人称をすべて性と数で分け、アラビア語の数は二つではなく三つです。一人、ちょうど二人、三人以上。英語が七語で済ませるところを十二語にし、十二語すべて覚える必要があります。選びは文体でも丁寧さでもないからです。女性に أَنْتَ と言うのは、改まっているのでも古風なのでもなく、ただの誤りです。「彼女は私の兄です」が誤りであるのと同じです。

慰めは、これがこの言語でいちばん易しいパラダイムだということです。この十二語は形を決して変えません。格語尾もなく、タンウィーンもなく、複数の複数もありません。一度覚えれば終わりです。さらに、ここで出会う語尾、ـتَ と ـتِ، ـمْ と ـنَّ、二人の ـما は、レッスン7の接続代名詞と、これから活用するどの動詞にも戻ってくる同じ合図です。ほかのパラダイムすべての形を教えるのが、このパラダイムです。

規則

1. 「独立」とは、それ自体が一つの語だということです。 アラビア語には代名詞の家系が二つあります。ضَميرٌ مُنْفَصِلٌ は両側に空白を置いて単独で立ち、ほかの語と同じです。هُوَ طالِبٌ.。ضَميرٌ مُتَّصِلٌ は別の語の末尾に接着し、それだけでは言えません。كِتابي 「私の本」の ـي、بَيْتُكَ 「君の家」の ـكَ。それらはレッスン7です。このレッスンは自由な家系だけ、文を始めるときに使う代名詞です。

2. 三つの人称、三つの数、二つの性。ただしマスは埋まっていない。 三つの人称×三つの数×二つの性なら十八マスです。アラビア語は十二を埋め、空いている場所は先に知っておく価値があります。

  • 1人称は性の区別をまったくしません。أَنا は男性も女性も言います。
  • 1人称に双数はありません。話し手が二人でも نَحْنُ を使い、三十人でも同じです。
  • 双数の二つ、أَنْتُما と هُما は、それぞれ両性を覆います。

ですから性が問題になるのは2人称と3人称だけで、しかも双数の外だけです。

3. 1人称:أَنا と نَحْنُ。 أَنا は「私」、نَحْنُ は「私たち」です。話し手の性はどちらにも見えません。だから書かれた أَنا مُتْعَبٌ が話し手が男性だと教えるのは、代名詞からではなく、文の反対側の形容詞からです。

4. 2人称:五つの形。 男性一人には أَنْتَ、女性一人には أَنْتِ、どの二人にも أَنْتُما、男性三人以上(または混成の集団)には أَنْتُمْ、女性三人以上には أَنْتُنَّ。女性の集団に男性が一人いれば أَنْتُمْ です。アラビア語では混成の場の既定は男性複数です。選びは性と数だけであり、丁寧さではありません。フランス語の vous のような普通の「丁寧な you」はなく、一人に対しては地位が何であっても أَنْتَ または أَنْتِ です。ごく改まった文書では、一人の高官に複数で呼びかけますが、普通の散文で一人の前に أَنْتُمْ を置くのではなく、敬意の名詞、سِيادَتُكُمْ، سَعادَتُكُمْ を通してです。

5. 3人称:五つの形、「it」に当たる語はない。 هُوَ، هِيَ، هُما، هُمْ، هُنَّ は2人称とまったく同じ並びになります。英語の「it」にも日本語の「それ」にも当たる語はなく、アラビア語に中性がないからです。物は、その名詞がたまたま持つ性で受けます(レッスン5)。الْكِتابُ は男性なので、本は هُوَ、السَّيّارَةُ は女性なので、車は هِيَ です。そしてレッスン11で本格的に出会う規則が一つ:無理性のものの複数は女性単数の هِيَ で受け、هُمْ では受けません。本だけなら هِيَ です。

6. أَنْتَ と أَنْتِ の違いは母音記号一つです。 男性はファトハ、女性はカスラで終わります。語のほかは何も変わりません。子音はどちらも同じ三文字 أ، ن، ت です。母音記号を印刷しないふだんのアラビア語の書きことばでは、だからページ上は同じ語であり、どちらを意味するか教えるのは文脈だけです。たいてい文の残りが明かします。述語が一致するからです。「君は教師だ」という読みは、あとに立つ مُدَرِّسٌ か مُدَرِّسَةٌ で決まります。話しことばでは曖昧さはまったくありません。語尾が聞こえるからです。同じ一母音の対比はこの言語全体に走ります。名詞の ـكَ と ـكِ(レッスン7)、過去の動詞の ـتَ と ـتِ(レッスン18)。2人称単数にその対が出るところでは、ファトハが男性、カスラが女性です。この一つの枠についての規則であり、二つの母音一般についての規則ではありません。

7. 代名詞は不変化(مَبْنِيَّةٌ):語尾が凍っています。 レッスン3は語を、文の中の役割で末尾の母音が変わるもの(格変化する、مُعْرَبٌ)と、語尾が一生固定のもの(不変化、مَبْنِيٌّ)に分けました。代名詞はすべて第二のグループです。هُوَ は、文の主語でも、述語の一部でも、答えとして単独でも هُوَ です。実用上の帰結が二つ:代名詞にタンウィーンを決して付けない、格を「変える」ことも決してしない。英語が「he」から「him」へ、日本語が助詞で示すところを期待しても、アラビア語は هُوَ を語形変化させるのではなく、別の家系の代名詞に切り替えます(レッスン7と29)。

8. つづりと連結の二点。 第一に、أَنا は書かれたアリフで終わり、普通は長い母音として 読まれません。話しことばの流れではこの語は軽い音節が二つで、アリフはつづりの約束にすぎません。(休止、句点のところでだけ、その末尾の母音が引き伸ばされます。休止形で、発音ガイドが扱います。)また、切断ハムザ(هَمْزَةُ القَطْعِ)で始まるので、最初の文字は أ と書かなければならず、裸のアリフではありません。第二に、أَنْتُمْ と هُمْ はスクーンで終わり、スクーンのあとに冠詞の ل のスクーンは続けられません。この二つの代名詞の直後に الـ の語、または連結ハムザ(هَمْزَةُ الوَصْلِ)で始まるほかの語が来るとき、隙間を埋めるために م がダンマを取ります。هُمُ الْمُدَرِّسونَ، أَنْتُمُ الْفائِزونَ。これは発音であって形の変化ではありません。代名詞はなお هُمْ です。

9. 主な用法:代名詞が主語(المُبْتَدَأ)。 レッスン2は名詞文を定の前半と不定の後半から組み立てました。代名詞は本質的に定なので(レッスン4が الـ を拒む語に挙げました)、第一の枠にそのまま落ちます。

  • أَنا طالِبٌ.:「私は学生です。」
  • هِيَ مُدَرِّسَةٌ.:「彼女は教師です。」
  • نَحْنُ مِنْ مِصْرَ.:「私たちはエジプト出身です。」
  • هُمْ عَرَبٌ.:「彼らはアラブ人です。」

これらの文のどこにも「be」動詞はなく、英語の「am/is/are」も日本語の「です」も、代名詞のあとの沈黙に当たります。述語は代名詞と性と数で一致するので、أَنْتِ は مُدَرِّسَةٌ を選び、هُمْ は男性複数を選びます。نَحْنُ مِنْ مِصْرَ では述語は一語ではなく前置詞+名詞です。その型はレッスン17が戻ります。そして مِصْرَ は、مِنْ のあとにカスラが来そうなところでファトハで終わります。格変化の仕方が違う名詞の類に属するからです。レッスン41まで信じておいてください。لُبْنانَ، بَيْروتَ، أَحْمَدَ も同じです。

10. 区切りの代名詞(ضَميرُ الفَصْلِ):文を文のままにする代名詞。 レッスン2の規則は、定+不定が文、定+定が句、でした。では述語が本当に定のとき、つまり「ムハンマドは店長です」ではなく「ムハンマドは その 店長です」と言いたいときは。مُحَمَّدٌ الْمُديرُ をページに置くと、ラベル、「ムハンマド店長」と読めます。アラビア語は二つのあいだに3人称の代名詞を滑り込ませて解消します。

  • مُحَمَّدٌ هُوَ الْمُديرُ.:「ムハンマドはその店長です。」
  • فاطِمَةُ هِيَ الْمُديرَةُ.:「ファーティマはその店長です。」
  • الطُّلّابُ هُمُ الْفائِزونَ.:「その学生たちは勝者です。」

その代名詞は区切りの代名詞(ضَميرُ الفَصْلِ)と呼ばれます。前半と性と数で一致し、独自の格語尾はなく、排他のニュアンスを足します。ムハンマドであり、ほかのだれでもない。コピュラではありません。仕事は、定の述語が修飾語として読まれるのを止めることなので、この段階では定の両半分のあいだ以外には属しません。例外が一つ:前半自体が代名詞なら区切るものが残っていないので、هُوَ الْمُديرُ と 8. の هُمُ الْمُدَرِّسونَ は、定の述語ごと、そのまま完成です。普通の不定の述語では曖昧にするものがなく、省きます。الْبَيْتُ كَبيرٌ はそのまま、الْبَيْتُ هُوَ كَبيرٌ はその文の言い方ではありません。

11. 動詞があるとき、代名詞はたいてい消えます。 このレッスンは名詞文についてですが、先の文への注意を一言。アラビア語の動詞は、接頭辞と接尾辞ですでに主語を示します。كَتَبْتُ は「私は書いた」以外の意味にはなれず、كَتَبوا は「彼らは書いた」以外の意味にはなれません。だから代名詞は、強調や対比が欲しいとき以外は省きます。أَنا كَتَبْتُ الرِّسالَةَ、「私 がその手紙を書いた(彼ではない)」。英語の癖で動詞に毎回代名詞を付けると、アラビア語はしつこく不自然に聞こえます。日本語は主語を省くので、こちらのほうが近いです。レッスン14と18が動詞のパラダイムを組み立てます。代名詞は名詞文と強調のために取っておいてください。

12. このレッスンが意図して外すもの。 代名詞のセットはあと二つあります。所有の接続語尾 ـي، ـكَ، ـهُ とその仲間はレッスン7です。إِيّا の上に作った第二の 独立 のセット(إِيّايَ، إِيّاكَ، إِيّاهُ)は、ほかに代名詞を載せられるものがないときの目的語の位置用です。現代の散文ではまれで、直接目的語のレッスン29に属します。それまでは、下の十二語を全体と思ってください。

語形と文型

アラビア語文法が並べる通りのフルセット。縦に人称、横に数。リストではなく形として覚えましょう。

الشَّخْصُالمُفْرَدُالمُثَنّىالجَمْعُ
المُتَكَلِّمُ(両性)أَنانَحْنُنَحْنُ
المُخاطَبُ المُذَكَّرُأَنْتَأَنْتُماأَنْتُمْ
المُخاطَبَةُ المُؤَنَّثَةُأَنْتِأَنْتُماأَنْتُنَّ
الغائِبُ المُذَكَّرُهُوَهُماهُمْ
الغائِبَةُ المُؤَنَّثَةُهِيَهُماهُنَّ

マスではなく異なる語を数えると十二です。أَنا، نَحْنُ، أَنْتَ، أَنْتِ، أَنْتُما، أَنْتُمْ، أَنْتُنَّ، هُوَ، هِيَ، هُما، هُمْ، هُنَّ。

同じ十二を英語の守備範囲と対にしたもの。食い違いが見えるところです。

الضَّمير指すもの訳
أَنا話し手一人、どの性でも私
نَحْنُ話し手二人以上私たち
أَنْتَ男性一人君
أَنْتِ女性一人君
أَنْتُما二人、どの性でも君たち(二人)
أَنْتُمْ三人以上、男性または混成君たち(みな)
أَنْتُنَّ女性三人以上君たち(みな)
هُوَ男性一人、または男性の物一つ彼
هِيَ女性一人、女性の物一つ、または無理性の複数彼女
هُما何でも二人、どの性でも彼ら(二人)
هُمْ三人以上、男性または混成彼ら
هُنَّ女性三人以上彼ら

母音記号なしでは紙の上で同じ二つの形と、それを決める述語

مُذَكَّرمُؤَنَّث
أَنْتَ مُدَرِّسٌ.أَنْتِ مُدَرِّسَةٌ.
أَنْتَ مِصْرِيٌّ.أَنْتِ مِصْرِيَّةٌ.
أَنْتَ مَشْغولٌ.أَنْتِ مَشْغولَةٌ.

語尾そのもの。ほかをすべて剥いだ姿を見る価値があります。この言語全体に繰り返されるからです。

合図意味現れる場所
ـَ男性単数の相手أَنْتَ
ـِ女性単数の相手أَنْتِ
ـما双数、性は中立أَنْتُما، هُما
ـمْ男性複数أَنْتُمْ، هُمْ
ـنَّ女性複数أَنْتُنَّ، هُنَّ

例文

العربية日本語
أَنا طالِبٌ فِي الْجامِعَةِ.私は大学の学生です。
أَنا مُدَرِّسَةٌ جَديدَةٌ.私は新しい教師です。
نَحْنُ مِنْ مِصْرَ.私たちはエジプト出身です。
أَنْتَ طَبيبٌ مَشْهورٌ.君は有名な医者だ。
أَنْتِ طَبيبَةٌ مَشْهورَةٌ.君は有名な医者だ。
أَنْتُما طالِبانِ مُجْتَهِدانِ.君たち二人は勤勉な学生だ。
أَنْتُمْ مُوَظَّفونَ فِي الشَّرِكَةِ.君たちは会社の職員だ。
أَنْتُنَّ مُدَرِّساتٌ فِي الْمَدْرَسَةِ.君たちは学校の教師だ。
هُوَ رَجُلٌ كَريمٌ.彼は気前のよい男です。
هِيَ مِنْ لُبْنانَ.彼女はレバノン出身です。
هُما مُهَنْدِسانِ.彼ら二人は技師です。
هُمْ عَرَبٌ.彼らはアラブ人です。
هُنَّ فِي الْبَيْتِ الآنَ.彼らはいま家にいます。
مُحَمَّدٌ هُوَ الْمُديرُ.ムハンマドはその店長です。

よくある間違い

  • انا طالِبٌ. -> أَنا طالِبٌ.:この語は هَمْزَةُ القَطْعِ で始まるので、アリフはハムザを載せなければなりません。ここの裸のアリフは近道ではなく、つづりの誤りです。
  • أَنْتَ مُدَرِّسَةٌ. -> أَنْتِ مُدَرِّسَةٌ.:أَنْتَ は男性だけです。女性にこれを向けるのは丁寧さではなく文法の誤りで、一致しない述語がそれを明らかにします。
  • هُمْ طالِبانِ. -> هُما طالِبانِ.:ちょうど二人には、アラビア語に固有の数があります。هُمْ は三人からです。双数は必須であり、文体の選択肢ではありません。
  • هُنَّ مُدَرِّسَتانِ. -> هُما مُدَرِّسَتانِ.:女性側の同じ落とし穴。女性二人は هُما です。双数はどちらも性に中立だからです。
  • نَحْنانِ مِنَ الْمَغْرِبِ. -> نَحْنُ مِنَ الْمَغْرِبِ.:組み立てる1人称の双数はありません。話し手が二人なら نَحْنُ です。
  • أَنْتُنَّ مُوَظَّفونَ. -> أَنْتُمْ مُوَظَّفونَ.:أَنْتُنَّ は女性だけの集団用です。部屋に男性が一人いれば、集団全体を男性複数で呼びかけます。
  • الْبَيْتُ هُوَ كَبيرٌ. -> الْبَيْتُ كَبيرٌ.:هُوَ は動詞の「is」ではありません。区切りの代名詞が現れるのは述語が定のときだけです。不定の述語では、両半分は沈黙のまま並びます。
  • مُحَمَّدٌ الْمُديرُ.(「ムハンマドはその店長です」の意味で)-> مُحَمَّدٌ هُوَ الْمُديرُ.:定の両半分のあいだに何もないと句、「ムハンマド店長」と読めます。文にするには代名詞を入れてください。
  • هُوٌ طالِبٌ. -> هُوَ طالِبٌ.:代名詞は مَبْنِيَّةٌ です。タンウィーンは決してなく、調整する格語尾もありません。格変化するのはあとの名詞だけです。
  • الْمَكْتَبُ كَبيرٌ، وهِيَ جَديدَةٌ. -> الْمَكْتَبُ كَبيرٌ، وهُوَ جَديدٌ.:英語の「it」や日本語の「それ」だからと هِيَ に手を伸ばさないでください。代名詞はアラビア語の名詞の性に従い、مَكْتَبٌ は男性です。

ヒント

  • この決まった順で十二を唱えましょう。أَنا، نَحْنُ / أَنْتَ، أَنْتِ، أَنْتُما، أَنْتُمْ، أَنْتُنَّ / هُوَ، هِيَ، هُما، هُمْ، هُنَّ。これらのレッスンのパラダイム表が使う順なので、労力はレッスン14とレッスン18で報われます。(伝統的なアラビア語文法は逆に、الغائِب から المُتَكَلِّم へ進むので、ほかで出会う表が هُوَ から始まっても戸惑わないでください。)
  • 十二の別々の語ではなく、五つの語尾を覚えましょう。ـما は二人、ـمْ は男性の多数、ـنَّ は女性の多数です。その三つの合図が十二形のうち六つを覆います。
  • いま耳に、ファトハ=男性、カスラ=女性を固定しましょう。その一対が、ここでは أَنْتَ と أَنْتِ、レッスン7では ـكَ と ـكِ、レッスン18では ـتَ と ـتِ を決めます。
  • 新しい名詞に出会ったら、すぐ هُوَ か هِيَ かを決めてください。性と語を一緒に記憶するコストはいまゼロで、あとの一致がすべて助かります。
  • 周りの実際の二人組で練習しましょう。双数は、実在の友人二人について هُما を一度言うまで作り物に感じます。そのあと文法項目ではなくなります。
  • 「それ」に当たる語を探さないでください。日常の丁寧な「you」も探さないでください。どちらも独自の代名詞としては存在せず、探すとアラブ人が書かない文になります。
  • いまは إِيّا の代名詞と、代名詞の目的語についてはすべて無視してください。このレッスンでは、代名詞は名詞文の先頭か、両半分のあいだにしか立ちません。
  • 母音記号なしのテキストを読むとき、أ ن ت で止まってどの「君」かと悩まないでください。先を読んでください。あとの形容詞または名詞が、ほとんどいつも決めます。